星と無意識
- み みな
- 2015年8月25日
- 読了時間: 2分
辺りには、まだチカチカと星が光っている。
畏怖、依存、崇拝。そして、憎悪の塊だ。
................................................................................... 「怖い夢をみた?」 細く、長い指が私の瞼をなで、そのあと、かすかに汗ばんだ額の前髪をかき上げた。 いつもの笑顔だ。遮られていた彼の顔がはっきりと見える。こうなってしまえば、私はどうしようもない。 彼の瞳から目を逸らすことができない。 「…わからない」 何がわからないのか。ようやく吐き出した答えだというのに、曖昧な言葉になった。 それでも本当だ。本当にわからなかった。あれが夢なのかどうかも、今の私が本当に今の私であるのかも。 彼女の言っていた言葉がぐるぐると回る。何か忘れているような… だめだ、何を考えているんだ?今の私はどんな顔をしている? まだ、星は消えない。 「わからない…」 「わからないよ、助けて…」 声を押し殺して、息だけで呟いた。 ずっと見つめていたその瞳が、その時、ほんの少し丸くなったが、すぐに目を細くして微笑んだ。 「やっぱり怖い夢を見たんだね」 そう言って、私の頭を撫でる。 「大丈夫だよ、すぐに忘れよう。 君が汲み取ったその無意識を失えば、彼女ももう二度とそこには訪れることもないだろうから」 「もう一度眠るといい。 ほら、目を閉じて」 またあの夢を見てしまうかもしれない、という恐怖はなかった。 言われるままに瞼を落とし、暗闇の世界へと入った。 その時だったか、ほんの一瞬だけ、普段から笑顔を崩さない彼の表情が、どこか哀しそうに曇っていた。 「おやすみ」 星はいつの間にか消えていた。
最新記事
すべて表示おもむろに彼女の蟀谷に手を伸ばし、彼女の輪郭をたどる。目蓋をなぞり、頬に触れると、彼女はじっと目を閉じて、僕の手に身を預けている。その姿が、僕のどこか深いところにある何かをざわつかせた。否定、不安、諦観、愛情、侮蔑、依存、悲哀、憐憫、嫌悪、羨望…。そのどれでもなければ、全て...
Home/Ukagaka/Memo 以外のページを非公開に設定しました。 サイトで創作設定をまとめていましたが時間が経つに連れてじわじわと変化していき、 見返すと「間違っていないんだけどなんか違うぞ」って文章も多く感じてきたので...
Ukagaka: ・DLを『 El 』ver.1.0d1から『 El 』ver.1.0d2に差し替えました。 ・追加シェル『ジュンハ』を『 El 』ver.1.0d2に同梱したため、DLリンクを削除しました。 『 El ver.1.0d2...